はじめまして、このブログの執筆メンバーに参加させていただく東大OBの山田と申します。
わたくしは現在30代でして、東大卒業後の経歴について少しお話させていただきますと、
国内大手企業→外資系企業(コンサル)→ベンチャー企業(コンサル)→起業という経緯をたどっております。

このブログではいろいろなことを綴っていきたいと思いますが、主には学習戦略に軸を置きたいと思います。

ということで、、、、本日は学習戦略について!

私の学習戦略の中での基本軸である知識・計算・思考をもう少し本質的な視点で自分なりに考えたことをまとめてみたいと思います。

 世の中には様々な学問・職業がありますが、知識・計算・思考の三つの基本要素でそれぞれを見ていくと面白い示唆が得られます。

本質①:対象が動的なものは思考を要求され、対象が静的なものは知識を要求される

 これは知識と思考の境界線を考えればある程度理解しやすくなるかもしれません。
 というのは思考は知識を動的に組み合わせることと呼べるからです。
 そういう意味では、覚えれば何とかなるのは相手が静的なものであり、常に相手の出方を伺いながら手を打たなければいけないものについては思考が重要となります。

本質②:必要な知識量は思考時に意識しなければならない範囲の広さと利用できる選択肢の多寡によって決まる

 これは経営者と一担当者を考えれば容易に想像できますよね。
 経営者は範囲が広いので多くのことを知らなければ対応できないですし、選択肢を知らなければ有効な打ち手が打つことができないですよね。

本質③:要求される思考のレベルは目指すべきものの不確定性によって決まる。

 これは常に正常状態に戻すことだけを求められるトラブル対応者と、進むべき道から全て考えなければいけない起業家などを比べると分かりやすいと思います。
 あくまでも比較の問題ですが、ゴールを決めてそれを達成するものと、ゴールが決まっていてそこに戻すだけのものを比べると、やはり、ゴール設定の質が問われる方がより高いレベルの思考を求められますよね。

本質④:事実と意見において、事実を追求すればするほど物事を数字で表すことが要求される


 自然科学、社会科学の一部では定量データによって仮説を検証して、新たな真理を導き出していくようなところがありますが、研究などの事実追求型のアクティビティーにおいては数字の重要度が高まってきます。

本質⑤:知識には大きく三つのレイヤーがあり、それぞれにおいて、身に付ける方法が異なる。

  (1)文法的知識・・・文法・文字・一部の共通語
  (2)単語的知識・・・言葉レベル
  (3)背景的知識・・・論点レベル

 (1)の文法的知識は意識・無意識は別として、スピーディーに取り出し可能な検索性能・操作性能の高い知識が求められる。
 基本的には利用する可能性のある範囲において、高い網羅性、且つ、ハイクオリティーが求められる。

 (2)の単語的知識は思考を支えるベースとなる部分になるので、求められる思考のレベルに応じて必要な分を最適化して覚えることが求められる。
 暗記的には記憶の5タイプにおける原始的なものに依存せざるをえず、取り組み方の優劣が効率に著しい差を生む。

 (3)の背景的知識は、そもそもが目的はケースによって千差万別なので、目的適合性の高い形で、翻訳して覚えることが求められる。
 つまり、同じ対象でも目的によって覚えるべき内容は違うということである。

本質⑥:計算は質とスピードの両方を高いレベルで実行できなければ意義が薄れる


 計算は思考の論拠を保証する通過点みたいなものなので、質・クオリティーが兼ね揃わないと、なかなか機能しない。
 だからこそ、どちらに偏重するのでもなく、最適バランスを意識しながら全体のレベルを上げていくことが極めて重要である。

本質⑦:知識は思った以上に異分野間で応用・流用できる


 物事の本質はどの分野でも共通部分が多い。
 だからこそ、様々な分野を見ることで、ベストプラクティスを頭の中に蓄積することが自分が知らない分野への対応力を飛躍的に向上させる。

本質⑧:思考は大きく論理・心理・倫理の三段階に分けると複雑性が排除される

 考える行為自体の質を洗練させるためには、論理的なものと、心理的なものと、倫理的なものを切り分けて考えると、非常に思考がクリアなものになり、無駄が少なくなる。


 いろいろ考えましたが考えれば考えるほど、現在の自分の置かれた環境が知的な観点で最も良質な負荷がかかる環境だということを再認識しました。
 まだまだ道半ばですが、知識・計算・思考を今以上にダイナミックにレベルアップして行きたいと思います。

 頑張ります!