はじめまして、東大医学部3年の赤坂浩二です。
このブログでは3人目の執筆者ですね。
どうぞよろしくお願いします。

本日は
文系、理系と職業
について書いてみます。

志望校や学部の決定によって、将来の仕事にどのような影響が出るか、高校生の段階で知っている人は少ないと思います。
むしろ、16〜17歳で社会人の仕事の状況が分かる方が変ですよね。


**・文系と理系

文系の方が、一般的には早い時期に就職するので生涯賃金が高いことが多いです。
就職難と呼ばれているのは、おそらく就職に「高望み」をしているからであって、とりあえず就職するだけであれば、できないということは無いのではと思います。
企業の現場では人材不足が叫ばれていますので、就職に不利ということはないのでは、という感じです。

一方、就職しやすいといわれている理系ですが、ハテ本当にそうなのか、と個人的には思います。
もともと理系の学生は大学院に進学することが多くなっており、就職時期が遅くなるというデメリットがあります。
また、博士号取得者は実際のところ、年齢も30歳前後になっていることが多く、就職が修士卒よりもずっと大変です。
頑張って勉強したからといって報われるとは限らないわけです。
製薬業界などは収入が多いことで有名ですが、薬学部進学はどんどん難しくなってきています。


**・理系の家計簿

むしろ、理系の人が修士や博士になるまでには学費や生活費がかかるので、お金持ちの家でないときついはずです。
私立であれば理系学部は学費も高いので、かなりお金がかかります。

修士まで6年で、東大ですら学費(324万円+入学金)がかかります。
私立であればこの2〜3倍以上するのは避けられません。
生活費や専門書の購入代金、家賃などのお金も、卒業までに1200万円くらいかかると思います。
そうすると、おそらく大学卒業までに2000〜3000万円かかることになります。
博士、となると、さらにこの1.5倍〜2倍近くかかるはずです。

文系なら、学費はそれほど高くない上に、原則、4年で卒業して終わりです。
それなら、4年間大学に通っても、1500万円くらいあれば何とかなりそうです。

僕は研究をやりたいと思って張り切っているのですが、家にお金がありません。
なので自分でお金を稼いでいます。
必死でバイトをしながら何とか卒業して臨床医になる、という道しか残されていなかったと思います。

バイトもせず、好き放題旅行に行き、サークルに打ち込める身分の人がうらやましくも思えます。
が、個人的には自分で稼いだお金で好きに生活した方が、断然充実しているし楽しいと思うので、今の生活は全く嫌ではありません。

理系はお金がかかる、というのもまた厳しい現実なのです。



**・仕事と文系、理系

個人的には、理系の方が将来性があるなどとは全く思いません。
文系の人でも仕事の仕方次第では可能性は無限大です。
IT企業は高度な理数系的知識が要りますが、実際、そういう会社の社長が文系のエリートということはよくあります。
それでやっていけないということはないのです。

仕事に理系も文系も無いもので、結局は、論理的な思考力や知識量、コミュニケーション能力などを鍛えた人が活躍できるのではないでしょうか。


とはいえ、やはり最終的に強いのは理系だったりします。
マイクロソフトやグーグルといった企業の創業者は、情報技術の専門家です。
日本の企業も昔から、やはり根底に高い技術力を有する企業が強いのは確かです。
ソフトバンクの孫さんも、もともと自分の発明品である翻訳機を売ってお金持ちになりました。
また、経営コンサルティングで大成する人に理系卒が多いということもあります。
そういうレベルを目指すなら、理系でがっちりと高い技術的バックグラウンドを養うように勉強に励むことは必要です。

文系は技術力が無い、ということでもないのですが。


**・政治経済学部と法学部

率直に言うと、これらの学部についてはあまり知りません。
ただ、進路は大体読めます

政経の人なら、公務員か企業への就職でしょう。
金融、マスコミ、経営コンサルティングなどの高所得業界も視野に入ります。

法学部なら、公務員や企業への就職に加えて、司法の道を選べます。
とはいえ、司法試験に通るのは大変(ダブルスクールが当たり前)ですし、法科大学院進学も難しい上に経済的にも負担がかかります。


ただ、自分で自分の事業を興したいという人であれば、文系や理系はあまり関係ありません。学部によって業界が決まるわけでもありません。
大学名は東大や慶應などブランドがあると信頼性が増すというメリットはあると思いますが、絶対的なものではありません。


人生長い目でみれば、大学受験よりも、職選びの方が重要ではあります。



**・人生のビジョン

最終的には、自分の人生のビジョンが大事になってきます。
自分がどのように生きて行きたいか、ということへの答えとして、大学や学部を選べば、後悔しにくいと思います。



なお念のため記しておくと、理系を目指している人があとで文系に転向する(文転)はラクですが、その逆(理転)は大変です。

理転では、数学の範囲が広くなり難易度が高くなるので、とてもしんどいのです。
迷っている人は、理系にしておけば、後で融通が効きます。

(美貴さんのケースとは違うことになってしまいますね^^;)